2017/11/01 22:17

業界の人に「今ブームの植物は?」と尋ねたら、間違いなく「ハオルチア」と答えが返ってくるでしょう。
ぷっくりと肉厚でみずみずしく、太陽光に照らされた窓は自然のステンドグラスかのような美しさ。
その窓の大きさや模様、透明度が最も価値を左右します。
色も緑の他に黒系、紫系、そして斑の白などがあり、見どころ(=生産者の腕の見せ所)が大変多い植物ですね。

最もベーシックな品種はこのハオルチア オブツーサです。

―― Haworthia obtusa
―― Succulent

これは窓の大きさも透け感も普通のごくごく一般的な個体です。当店はケープバルブを中心のお店ですので高価なハオルチアはありませんが、これでも充分きれいですね。

ハオルチアは最近ではホームセンター、普通の植物屋さん、雑貨屋さんでも見かけるようになりました。多肉専門店以外で売っているものの大半は窓の透け感がいまいちで徒長気味だったりもしますが、手軽に楽しむには悪くありません。
一方、作り物のように透明で大きな窓をもっていたり、筆で描いたかのような斑が入っていたり、360°どこから見ても均整のとれた形をしていたりする個体は数万~の値段が付きます。その中でも特に優れた特長を持つ品評会クラスになると、数百万することも。
人気が出たのはもちろんハオルチア自体の魅力もあるのですが、最近のブームの背景には中国の爆買いもあります。中国人がハオルチアを(無造作に)買い集めており、当たり前のようにパレット単位で幼苗を買っていく光景を目にします。つまりは投機商品と化しているわけです。
投機商品になっていることがわかるもう一つの現象として、優秀な個体の子株が高値で売り買いされていることが挙げられます。子株といっても、親と全く同じようには育ちません。特に斑の表れ方は予想がしづらいです。でももし親のように育ったら大儲け…という思惑からでしょう、葉が1~2枚しかないような子株が数万円で売れているのを目にします。

このような状況のハオルチアとどのようにつきあっていくべきなのでしょうか。
長くなりましたので、また別の機会に考えてみることにします。