2017/10/29 16:26
「植物に毛が生えている」と聞くと、驚く方も多いかもしれません。毛皮にくるまって暖を取る植物なんて見たことがありませんね。そもそも動物のような皮膚はないわけですから、どこに毛が生えるの?という疑問も聞こえてきそうです。
でもケープバルブにおいては、毛が生える種類はとても多いです。
ハエマンサス属は大きくてつるんとした葉っぱと、地面に張り付くように伸びる様子が特徴的な種類です。でもこちらはなにが特徴かと言うと…

―― Haemanthus unifoliatus
―― Cape bulb
ハエマンサス ユニフォリアタスは、ご覧の通り毛むくじゃらで葉が立ち上がります(すごい毛の密度ですよね)。触り心地も抜群で、猫をなでているかのようにふさふさと柔らかいです。
でもちょっと待ってください。植物にとって大事なことは、より多くの日を浴びて光合成することのはずです。これだけ毛が葉を覆ってしまっていては光を遮ってしまうのでは?
毛の存在理由について、実ははっきりとしたことはわかっていないようです。一説によると、毛が空気中の水蒸気を集める働きをしており、土からだけでは不足する水分を補っているんだとか。少なくとも植物が寒さに耐えるときには葉を落とすという戦略を取りますので、暖かくするためではないように思います。
動物とは違う目的で毛を生やす植物たち。奥が深いですね。