2017/11/26 20:22

ケープバルブにおいて最も価値がある部分は葉っぱであり、花は二の次という感じがあります。
実際、花が非常に地味で「雑草?」と言いたくなることもしばしば。まあ南アフリカではきっと雑草そのものなんでしょう。その辺に生えていて食用にも薬用にもならない、花も地味だったら雑草ですよね…。

ケープバルブがこれまであまり注目されてこなかった理由もこの点にあるようです。植物図鑑では普通、開花時の写真が掲載されますよね。すると葉は写っていなかったり、枯れている時期だったり、よくてピンボケして写っているということになります。そういった図鑑では、どれだけ葉っぱが面白くても魅力に気づくのは難しいという理屈です。
最大のケープバルブ図鑑である『Color Encyclopedia of Cape Bulbs』(Timber社、2002年発行)を眺めてみても、全て花の写真です。
この図鑑は600ページほどあり、膨大で詳細な情報は読んでいて勉強になりますが、葉を楽しむという観点では書かれていないので仕方ないのでしょう。

ただしもちろん、花に魅力があるケープバルブもちゃんとあります。これなんかはその代表格でしょう。


――Lachenalia viridiflora
――Cape bulb

ラケナリア ヴィリディフローラ(ビリディフローラ)です。初めて見た時、この植物とは思えない翡翠色に感動したことを覚えています。
ラケナリアの花には香りがあまりないので、色でポリネーター(花粉を運んでくれる虫)を使い分けているのではないかと推測しますが、きっとこの翡翠色が好きな虫がいるのでしょうね。私がもし虫だったら、このヴィリディフローラのところに引き寄せられてしまう気がします。
たまにはケープバルブの花にも注目してみると新たな発見があるかもしれませんね。